李政美(いぢょんみ)の世界♪ [評論]
・・・♭♪冬枯れの野に立つと 踏みしめた枯れ草の下の・・・♭♪
低く、しずかに詠唱のごとく澄みきった李政美(い ぢょんみ)の歌声が流れ始める・・・ そして、その詠唱は、それまで、騒ついていた場内の喧噪を全て包み込み、瞬く間に吸いあげていった。
李政美(い ぢょんみ)さんのライブ会場として久しく親しまれてきた、新宿の東京オペラシティにほど近い酒処「たまははき」・・・ 拠ん所ない事情により来年は閉鎖される東京のオアシス。 その最終章を飾る李政美さんのライブは、静かにしんみりと開けた・・・ そんな印象がある。オープニングは「遺言」で始まった。
50数名の熱烈なファンで埋め尽くされた「たまははき」は、立錐の余地もない。 早々と満員御礼が報じられ、長年のファンも会場に入れず、泣く泣く夢でライブを楽しんだという話も聞いた。
・・・筆者が李政美(い ぢょんみ)さんの事を初めて知り得たのは、瀬戸内の李政美(い ぢょんみ)の熱烈なファン、bintenさんを介しての事であった。 そもそも、bintenさんが筆者の「十九の春」に関するブログ上での評論記事
http://uruzun-kukuru.at.webry.info/200605/article_23.htmlに目を留めなければ、李政美(い ぢょんみ)さんとの縁も生まれなかったろう事は確かである。
bintenさんより、有りがたく頂いた李政美(い ぢょんみ)さんのCD「オギャディヤ」・・・タイトルがオギャ・・・ 赤ちゃんの泣き声を連想させるアルバムタイトル・・・変な曲集だな? 率直に、そんな事を脳裏に浮かべながら頂いたCDを、愛用のヤマハのCDプレーヤーにセットする。 最初に耳にした歌は、まさに、「たまははき」のオープニングで詠唱(という印象が今でも強いのだが・・・)された曲・・・・ そして、李政美(い ぢょんみ)の唄心や音楽の世界が、この最初に聞いた曲で・・・全てを説き聞かせてくれたような、そんな強い思いがあった。
限りない慈しみと、清く澄み渡り、心と感情の襞の奥深くまでズンズンと染みいってくる歌詞とメロディーの数々。 ・・・この歌手は一体どんな方!? 最初に直感的にイメージしていたbintenさんのブログタイトルが「瀬戸内の李政美ファン」・・・・ また、そこらのドサ廻り歌手の偏屈で熱狂的なファンかな?・・・位のイメージ(bintenさん、ごめんなさい!)であった。 しかし、最初の曲を聴き終えて一瞬のうちに、その予感は微塵として吹き飛んでしまった。
これは、いかん! あわててネット上を隈無く検索してみる。 李政美(い ぢょんみ)さんの公式サイトに辿り着いた。 関連するサイトも丹念に検索、さまざまなファンのサイトも、ざっと訪問させて頂いた。 李政美(い ぢょんみ)なる歌手・・・ここそこの流行の歌手では無い!その確信を得た。 ほどなく、プロフィールにざっと目を通し得心した。
東京・葛飾生まれの在日コリアン二世・・・残念ながら筆者には遠い縁のある出自の方。 大手英会話学校の教員時代に、数名の優秀な在日韓国の方との交流が短期・・・ また、ロス時代におつき合いの有った著名な建築設計士も韓国籍の方・・・それくらいのご縁しかなかった。 ぢょんみさんは東京・国立音大時代から、朝鮮民謡、フォークソング、フォルクローレを始め、さまざまな音楽家たちとの競演やソロライブ活動等の経歴を持つ。 現在はオリジナル曲を中心にライブやコンサート活動への意欲的な取り組みを展開中。 シングル、LPのCDも四枚を製作している。
筆者が最初に出会った李政美(い ぢょんみ)さんの曲は、’03年春にリリースされたCDアルバム「オギャディヤ」。 アルバムのタイトルとなった曲は、作詞・作曲ともに、ぢょんみさん自身による曲・・・ このアルバムは、これまでの彼女の唄心の集大成的な曲集となっているのではないだろうか? そして、そのタイトルとなった曲「オギャディヤ」には、これまで彼女が唄い繋いできた重くて深い在日韓国民の伝統や誇り、洞察された民族の魂の声の凝縮・・・ そのような魂の波長が、彼女の心の中から、強く響き訴えて来るような感がある。
♪悲しみの海に 小さな舟浮かべて
波にのまれて 沈まないように
希望の歌 うたいながら
さあ 舟を漕ぎ出そう
オギャディア オギヨチャー
オギャディア オギヨチャー
・・・・・・♪ と続く
(さあ、みんなここへ~オギャディア ライブビデオ)
http://homepage.mac.com/i_shoco/IjyonmiWorld/iMovieTheater41.html
「たまははき」ライブの場で、他のタイトルアルバム三枚も購入し、帰宅するやいなや、オーディオ編集室で、購入してきた全部のCDアルバムをじっくり聞き込んでみた。 ファーストアルバムを含め、’97年秋リリースのシングルCDに収録された「朝露」まで。 「朝露」はなかんずく、心に迫ってくる万感の思いを彷彿させる詩情の世界を映す。 そして、哀愁と悲願に満ちたぢょんみの調べが、幾つもの輪になり重なり合いながら、心の奥深くにこだましていく。
この強く深い郷愁に似た思いは、彼女の在日韓国人二世として心奥深く疼く、悲哀と苦難の民族の歴史の叫び・・・ 筆者には、残念ながら、その深い意味は測り知り得ない・・・いつの日にか、李政美さんに直接、お伺いしたいものである。 ・・・・・・・
♪長い夜をあかし 草葉に宿る
真珠より美しい 朝露のように
心に悲しみが 実るとき
朝の丘に立ち ほほえみを学ぶ
・・・・・♪
作詞・作曲は金敏基で訳詞は李政美(い ぢょんみ)さんによるもの・・・その心を同郷二世の李政美(い ぢょんみ)さんは痛いほど、痛切に想いを滲ませた伝道の賛美歌にも聞こえる響きとして聞くものを慈しみの声で包んでくれる。そんな想いで、何度もこの曲に聴き入った。 (朝露: http://www.pweinc.jp/jeongmi/asatsuyu.htm )
そして、「ありがとういのち」へと曲想が展開され、明るい明日へと生きる希望を繋いでいく・・・
♪ありがとう いのち
おまえがくれた 心はふるえ
押さえきれない ・・・・・・・・
ありがとう
こんなに たくさんのものを♪
(ライブビデオ: http://homepage.mac.com/i_shoco/IjyonmiWorld/iMovieTheater30.html)
「たまははきライブ」の夕べは、私の脳裏を一生離れないと思われるような、魂を優しく、柔らかな慈しみの絹のオブラートで包み癒してくれるような、まさに、マイ・フェイヴァリットゥ・ナンバー(一番のお気に入りの曲) 「イマココニイルヨ」の大合唱で包み込まれ、熱狂と感涙で幕を閉じた。 李政美(い ぢょんみ)作詞、おーまきちまき作曲による、ベストヒット曲と言っても良いだろう。
27日の夜の「たまははき」は、時ならぬ熱気と興奮の渦がいつまでも絶えない、晩秋の宴の館でもあった。
時おりしも、その日の日中は、東京のお台場・潮風公園では「韓日友情のチャンチ(宴)が盛大に開催され、筆者も1日をその歓喜と韓日友好の様々なイベントや交わりに浸っていた。 チャンチの終わりには、手土産までいただき、李政美(い ぢょんみ)さんとの架け橋となったbintenさんへのお土産としてバトンされる筋書きまで用意されていた。
不思議な韓日を取り持つ縁?・・・であると、つくづく感じる一日でもあった。
李政美(い ぢょんみ)さんを含め、参会者の全ての人々にとって、いつまでも忘れ得ぬライブの宴となった。 岡山、広島、東京、千葉、埼玉、福島、秋田、そして、韓国からも馳せ参じてくれた方々・・・ いかに、李政美(い ぢょんみ)さんのファン層が厚く、広く愛されているか、そんな、強い実感を抱いた。
そして、全ての李政美(い ぢょんみ)ファン、また、全ての音楽を愛する人々へ贈る共通の慈しみ深いキーワード曲「イマココニイルヨ」 ・・・
(ライブビデオ:作曲者のおおまきちまきさんとduet) http://homepage.mac.com/i_shoco/IjyonmiWorld/iMovieTheater9.html
http://www.pweinc.jp/jeongmi/fan/sakura.htm (「さくら」さんのHPGから)
♪生まれた場所も
息をしている場所も
遠く離れていても
アナタトワタシ イマココニイルヨ
アナタトワタシ イマココニイルヨ ・・・♪
心の奥深く、いつまでも消えない慈しみ、愛、励まし、想い、癒し・・・そんな全ての想いをあまねく伝え励まし人々を堅く結びつけてくれる命の歌・・・苦しいとき、悲しいとき、楽しいとき心から唇にのせて、心の底からこの歌を歌わずにはおれない・・・そんな想いを強く抱かせる曲である。 そのようなとき、いつも身近に李政美(い ぢょんみ)が共に居てくれている実感。
李政美さんの熱唱もさることながら、サポート女房役の矢野敏広さん(ギター、マンドリン)とセリさん(ベース)の息の合った伴奏も見事であった。 ときおり挿入される、ぢょんみさんのオカリナの音色も鮮烈・・・ いつか、トリオでまた、違った味のライブを聴かせて欲しいものである。 李政美ファンの皆様も、きっと、筆者同様な想いで、心からの暖かい声援と感謝の念を、サポート・ミュージシャンに手向けて居るものと推察する。
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日本のどこかで、また、数多くの新たな「たまははき」が、きっと生まれ広がっていく。 きっと、そうなる・・・そんな予感を強く抱きながら、新宿までの道のりを「アナタトワタシイマココニイルヨ・・・・」大きな声で歌いながら帰途についた。 冷たい夜風が無性に「たまははき」での熱気と歓喜で春の心地よい風に感じたのは、筆者ばかりでも無かったのではないかと推察する。
有り難う、李政美(い ぢょんみ)&たまははき&bintenさん&他の全ての李政美(い ぢょんみ)ファンの皆様・・・ また、近い将来の熱気溢れるライブで、是非、再会致しましょう。
bintenさん、ますます太くて強い、そして、う~んとシナヤカな李政美(い ぢょんみ)ネットワークの構築と展開を、宜しくお願いしますよ!
2006年の李政美(い ぢょんみ)さんの更なる飛躍と活躍に、そして・・・
新たなる出会いと再会に・・・ 乾 杯 & チアーズ!
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★李政美(い ぢょんみ)さんの公式ホームページは以下です。 是非、ご訪問下さい。
http://leejeongmi.com/index.htm
また、李政美(い ぢょんみ)さんとの出会いのきっかけを作ってくれたbintenさんの
ホームページは http://blog.so-net.ne.jp/jeongmi/ です。
是非、お立ち寄り、ご声援をお願い致します。
★ライブ&コンサートビデオはこちらからご覧になれます。
http://www.youtube.com/my_videos
★木の葉みたいな東洋の真珠「ヨロン島」情報は
http://www.minkantaishi.org/yoron.htm をクリック
はじめまして
昔、与論島で生まれて育った、島のおばさんです。
与論島を検索していたら、与論のことを書いたプログで見つけてお邪魔しました。
もしかして、東京在住ですか?
私は東京に住んでいます。
懐かしいなぁl~^て・・感慨深いですねぇ~~
あつかましい書き込みごめなさいねぇ~~
by 昔のおばさん (2006-07-24 10:17)
昔のおばさん 様
今晩は!(^o^)
ブログをご訪問いただき、有り難うございます・・・そして、お返事が大変に遅くなり、申し訳ございません。 m(_ _)m
私もヨロンで生まれ育ち、高校までを過ごさせていただき、現在は埼玉県川口市在住です。 ヨロンを離れて幾星霜、もう、30余年が過ぎました。ヨロンを離れてから、直ぐ英国へ行く機会があり、その後は20年ほどを海外で過ごす生活が続き、ヨロンは過去3~4回ほど、しかも4~5日ほどの訪問機会しかなく、その変貌振りには毎回驚かされました。
私のブログには、古き良き時代?の回想録としてヨロンへの心の一里塚にしたいと、思うままに書きつられてあります。 多分、私と同世代(小生、54才)のヨロンの方々に通ずる想いがあるのかな?なんて夢想しながら書き記してみました。
なかなかヨロン人会や奄美会等への出席が叶いませんが、限られた数人のヨロンの方々とは交流があります。今秋から思うところがあり、ヨロン島へ足繁く訪れる機会がありそうで、いまから、内心わくわくしております。
宜しかったら、また、メールでお便り頂けませんか? 限定された空間ではありますが、いろいろとヨロンの方との親交の輪を拡げていきたいな・・・そんな事を考えているこの頃です。
今後とも、宜しく、お付き合いを頂ければ幸いでございます。
ロイNS
royskt@japan.email.ne.jp
by ロイ (2006-08-19 04:54)
ロイさん、こんにちは!
お蔭様でチョンミさんとも出会い、
インタビューもしましたし、その後、チョンミさんの
お姉さんのトンガラシ復活ライブにも行ってきました。
すっごく深く感動しましたしほぼ家族みたいな感じの
ファンたちにも挨拶できてよかったんですよ。
その話はマンガにまとめてまた見せますね。
私はGWとはあんまり関係なくすごしてますね。
でも週末あたりに東京でもあちごちでイベントや野外ライブも
あるみたいで友達と一緒に行ってみようとしてます。
チョンミさんにも知り合いの在日コリアンの人がいたら
紹介してもらおうと思って言って置きましたが
私も色んな分野の人と出会ってマンガの幅も広げたいと
おもいますので(チェジュ島の方も含んで)
是非今からも色々紹介してくださいね。
日時はこちらが合わせますから、いつでもね。
私はソウル生まれでずっとソウルで育ちました。
母親の故郷が南西のチョンラドと言うところで母親の父親
(祖父)は戦争時代に広島で住んでたと聞いたのですね。
もう亡くなりましたけどね。
また近い内に会いましょう。
色々創作の活動に刺激を与えてくださいね。
ではでは!
ミジン
by 洪美珍 (ホン・ミジン) (2008-05-02 13:50)
アンニンハセヨ!
チョンミブログへおいでいただき有り難う。
そうですか・・・チョンミさんのお姉さんの快気祝いライヴは本当に楽しい一時だったことと推察します。(私も参加したかったが・・・残念!) でも、ミジンさんにとってはチョンミさんやその仲間達&ファンの事を良く知ることのできる絶好の機会になったこと、大変に、嬉しく思います。
ミジンさんの力作を楽しみにしています。
いま、チェジュ(済州島)の大学設立準備会合に引き回されています。お陰様で、より多くの韓国事情や人々と交流を持つことになりそうです。思わぬところから、ちょんみさんにも様々な局面で参画していただくことになるかもしれません。 もち・・・ミジンさんにもね。
また、近いうちに東京駅の事務所(チェジュ国際大学準備事務局)にてお会いしたいと思います。メールにて連絡致しますね。 今回は、いつまで(何月頃)まで滞日予定ですか?
アンニンイケセヨ!
by ロイ (2008-05-10 00:42)